シェフの産地訪問

生産者の方の声を直接伺い自らの目や耳で確かめ、その食材が持つ力を最大限に活かした料理をするという考えのもと、
キハチのシェフは定期的に産地を訪問させていただいています。
そんなシェフの食材に出会う旅をご紹介します。

22.SEP.2017

豊岡 コウノトリ育む農法
稲刈り編

海と山に囲まれ野生のコウノトリが暮らす豊岡市。
美味しいお米と多様な生きものを同時に育む「コウノトリ育む農法」による「いのちの壱」という新品種のデビューに向けて、プロジェクトチームの一員にキハチのシェフが参加をすることになりました。
5月の田植えに続き、9月は黄金色に実った「いのちの壱」の稲刈りに行ってきました。

兵庫県豊岡市

収穫のよろこび

今回お伺いしたのは、豊岡市で水稲面積市内ベスト5を誇る若手女性農業者である平峰英子さん。
一株毎に鎌を使って刈り、稲を束ねて竿にずらっと並べて干す「はざ掛け」と、刈取りと脱穀を同時にできるコンバイン(機械)、両方の体験をさせていただきました。
稲を逆さにして吊るす「はざ掛け」は、茎に残っている栄養が先端のお米に行き渡る効果を発揮したり、じっくり時間を掛けて干すことで、甘みのある美味しいお米になるとか。
その反面、コンバインの効率的なパワーと刈取りの正確さは、農家さんを力強く支える現代の農業には不可欠な存在であることも実感。

美味しさを届けたい

豊岡市の空を舞う野生のコウノトリの餌となるイナゴやカエルの姿が宿る稲田に、頭を垂れふっくらとした黄金色に輝く稲穂を見ると、思わず一つ一つを手に取ってじっくり眺めたくなるもの。
米粒の大きさはコシヒカリの約1.5倍ともいわれる「いのちの壱」は、稲を見ればその大きさも一目瞭然。
この「いのちの壱」に合わせて、豊岡で水揚げされた「ハタハタ」を使ったパエリア風炊き込みごはんと、「マガレイ」をアジア仕立てのフレークにした、ごはんのお供をシェフ芝 健太郎がご用意。
今回の訪問で、大切に育てられたこのお米を活かした一皿で、できるだけ多くの方に、この力強い美味しさを知ってもらいたいという、強い想いが募るのでした。

29.May.2017

豊岡 コウノトリ育む農法 田植え編

海と山に囲まれ野生のコウノトリが暮らす豊岡市。美味しいお米と多様な生きものを同時に育む「コウノトリ育む農法」による「いのちの壱」という新品種のデビューに向けて、プロジェクトチームの一員にキハチのシェフが参加をすることになりました。まずはファーストステップである田植えに行ってきました。

兵庫県豊岡市

「コウノトリ育む農法」とは?

豊岡市でかつて人と共に暮らしていた野生のコウノトリが絶滅したのは1971年のこと。再びコウノトリを野生に戻すために、農薬や化学肥料に頼らず、コウノトリの餌となるカエルやドジョウ等の多様な生きものを育み、自然にも人にも優しい環境創造型農業が「コウノトリ育む農法」なのです。
今では約90羽を超すコウノトリが豊岡の空を雄大に飛び交っています。ちょうどこの時期は、人工的に建てた巣作りの土台である巣塔で小さな雛を抱え子育てをする、たくさんのコウノトリに出会えました。

「いのちの壱」とは?

岐阜県下呂市で今井隆さんがコシヒカリの田んぼで発見した、米粒がコシヒカリの約1.5倍という大きさのお米。粘り、香り、甘味、歯ごたえが優れている良食味米として今注目をされています。豊岡市は今井さんより種籾の提供を受け、無農薬「コウノトリ育む農法」での試験栽培を現在行っています。

昔の農法を機械で再現

手で田植えを行い、除草剤ではなく手で雑草を取り除くというのが昔のお米作り。そんな昔ながらの農法を機械で再現しようという取組みが「コウノトリ育む農法」でも行われています。田植えは、苗の根の成長点を傷つけずに根付きを早くし、より強い成長を促す「ポット苗」を導入しています。苗の根を切りながら田植えをする一般的な「マット苗」に比べて、お米一粒一粒にしっかり栄養が行き渡り、しっかりと熟した穂をつけるそうです。

生産者の想いをうけて

今回お会いした生産者の方はお二人。一人目は、豊岡で最も標高が高い神鍋高原で「コウノトリ育む農法」による徹底的にお米の美味しさにこだわる若手農家の青山直也さん。もう一人は、豊岡市で最大の水稲作付け面積を誇り、新しい効率的な農業への研究熱心な狩野誠一さん。今回シェフは、昔ながらの手植えと最新鋭の機械植えを体験させていただきました。お米作りの大変さは想像以上のものですが、それを上回る位、チャレンジをする楽しさや喜びがあるそうです。そんな情熱のバトンを受けて、食材の美味しさを多くの方に届ける橋渡しの役目であるシェフの想いも熱くなりました。

11.APR.2017

富士山 岡村牧場

乳牛と和牛を交配させたハイブリッド国産牛を飼育している富士山 岡村牧場に行ってきました。
世界遺産である富士山麓の朝霧高原で岡村さんの愛情がたっぷり注がれた牛がのびのびと暮らしていました。

静岡県富士宮市

富士山 岡村牛とは?

成長に優れた乳牛と肉質に優れた黒毛和牛を掛け合わせた、ハイブリッド国産牛のトップランナーそれが富士山 岡村牛。
富士山の麓、広い牧草地に放牧され、富士山の地下水をくみ上げた自慢の水とこだわりの餌により、牛にできるだけストレスを与えない「牛が笑っている牧場」を目指している今注目の牧場です。

牛が笑っている牧場

岡村さんが牛に「おはよう」と声を掛けると、牛は元気に擦り寄ってきてご挨拶。子牛はなんと1頭ずつ「カウハッチ」という専用牛舎に。1頭ずつ毎日声を掛けていると、少しでも調子が優れない子牛がいると、直ぐに気がつくそう。まさに家族の一員である証です。

富士山 岡村牧場のこだわり

1990年岡村さんは朝霧高原に根をおろし、牛への熱い信念と情熱と共に、食べる人に安心と信頼を届けるために、生産から流通まで一貫した牧場経営をされています。牛が口にする餌は、トウモロコシや麦など独自のブレンド。そして涼しい気候と緑豊かな富士山の麓でのびのび放牧することで、牛にストレスを感じさせず、里山の景観を守る美しい牧場として元気な牛を育てています。

美味しさのひみつ

岡村さんお奨めの溶岩プレートで試食をさせていただきました。柔らかく余分な脂がなくヘルシーな肉質で、甘い脂としっかりとした赤身の絶妙なバランスが特徴です。牛肉本来の旨味と適度な歯ごたえが他にはない深いコクを生みだします。どんなメニューにしようか、シェフの頭の中ではレシピがたくさん浮かぶ瞬間なのです。

PAGE TOP